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ニート天使と純真悪魔
天使(♂):部屋から一歩もでたがらないニート。天界に送られた魂の選別をする仕事についているが、
出勤はほぼ無し。急に仕事場が忙しくなり、人員不足で予定していた魂の導きに出ることに。
拒否しようとするが働かなければ追放といわれ渋々働きに出ることになり…
悪魔(♀):働き者の10歳程の容姿の悪魔。悪魔にしては純真無垢でバカ正直。良かれと思って
やったことは空回りし、純真すぎるためなのか、悪魔なのに
天界の門を開いてしまう始末。天使が働く原因を作った張本人でもある。
天使(♂):
悪魔(♀):
天使:はぁ…最悪だ…なんで俺が仕事しないといけねぇんだよ…はぁ…
(閑静な住宅街のあるベンチでひとり、落ち込む天使)
天使:まぁ、なぜか魂の選別作業が急増して、人員不足なのはわかる。だけどなんで俺なんだよぉ…
帰りてぇ…帰ったらクビにされるから帰れねぇけどよぉ…はぁ…
間
天使:仕方ねぇ…適当に済ませて帰るか…えっと…
(もらった地図とメモを見る)
天使:えぇ~っと…おっ?あの家か…確か…老夫婦の家で爺さんが死にそうなんだっけ…その爺さんの魂を
導けってことか…ダリィ…めんどくせぇ…やるか…
(とぼとぼと目的の家に向かう)
悪魔:えっとぉ…確かもらった地図だとここら辺だとおもうんですけど…
(仮装してるかのような子供の大きさと同じ悪魔が周囲をキョロキョロしている)
悪魔:あっ!…もしかしたらあの家ですかね!?おじいさんとおばあさんが住んでいる家は!
(目的の家を見つけて気合を入れる)
悪魔:よぉし、頑張りますよ!
天使:さて…どうすっか…なんて口実を作るか…っと…おっ?先客か?
(近くの電柱に隠れ様子を見守る)
天使:ちゃっちゃと終わらせたかったんだが…って…はっ?
(老夫婦の家の前に立つ悪魔に気づく)
天使:…はぁ!?ちょっ!…嘘だろ!?あれ…悪魔か?…いやいやいや…待て待て待て…
普通人間に扮するだろ!?ってことは…あれは仮装…か?いやでも…
悪魔:ごめんくださ~い!ごめんくださ~い!(戸を叩きながら)
(おばあさんが玄関の扉から顔を覗かせる)
悪魔:こんにちは!ちょっといいですか?僕悪魔なんですけど…
おじいさんをお迎えに来ました!
天使:おいおいおい!?なに言いだしてんのあいつ!?普通言う!?
あぁ~もう…くそっ!
(走って悪魔のもとにいく)
悪魔:…ですからぁ!おじいさんを迎えn
天使:(遮り)アハハ~…ちょ~っとすみませんねぇ…(悪魔の口をおさえ)この子
ちょっとおかしい子なんですよねぇ…気にしないでくださいねぇ?では…失礼しましたぁ!
悪魔:もごっ!もごもごもごご!も~ご~ご~ご~!
(っ!?な、何するんですか~!は~な~し~て~く~だ~さ~い~!)
(路地に入りこみ息を整える)
天使:ぜぇぜぇ…ふぅ…人…いないよな…よし。
悪魔:もごっ!もごご!もごもごもごご!
(は~な~し~て~!)
天使:おっと…(手を放し)
悪魔:ぷはっ!…ふぅ…いきなり何するんですかぁ!
天使:いやぁ…悪い…って違う違う!お前さ…ほんとに悪魔か?
悪魔:ほぇ?…ほんとに悪魔ですよ!えっへん!
(ジト目で悪魔を見る天使)
天使:…お前さぁ…はぁ…
悪魔:なんでため息つくんですか!?
天使:ふんっ!(頭を叩く)
悪魔:いひゃい!…なんで頭叩くんですか!
天使:お前は…なんで変装とかしないんだ!それに!なんか別の用を考えろ!
悪魔:だ、だってぇ…正直でいないといけないし…
天使:はっ…お前…悪魔だよな?ほんとに悪魔だよな?
悪魔:だから悪魔だってさっきから言ってるじゃないですか!むぅ…
天使:嘘だろ…これが悪魔かよ…はぁ…まぁいいか。とにかく
悪魔:っていうかあなたこそなんなんですか!警察に言いますよ!
天使:その格好で警察いっても笑われるだけだと思うぞ?
悪魔:む、むぅ~!
天使:そうむくれるなって。とにかく自己紹介だ。俺はな…天使だ。
悪魔:てんし?…本物の!?でも…天使って格好じゃない…
天使:下界に来るのに正装で来る奴がいるか!お前がおかしいんだよ!ったく…
悪魔:天使さんはなんで人間界に来たんですか?
天使:お前と同じだ。
悪魔:同じ?
天使:そう…あの家の爺さんの魂を導く仕事だ。お前は地獄に連れていく予定だったんだろ?
悪魔:はいっ!そうなんです!今回はうまくいくかなって思って!
天使:今回は?いままで失敗してたのか?
悪魔:失敗じゃないんですけど…変なんですよねぇ…
天使:今までお前はどんぐらい魂を地獄に連れて行ったんだ?
(悪魔は指で数え始める)
悪魔:えぇっと…多分…100か200ですね!
天使:仕事について何年目だ?
悪魔:1,2ヶ月ぐらいですね
天使:まだそんなにでその数か…すごいな…思ったより…
(ん?ここ1,2ヶ月ぐらい急に天界が忙しくなったよな…偶然か?)
悪魔:でも…なぜか地獄の門を開こうとすると…ぴかぴかしていて、きらきらしている門が
開いちゃうんですよねぇ…
天使:…はっ?お前…今なんて言った?
悪魔:だから…なぜか地獄の門じゃないぴかぴかした門が開いちゃって…
天使:ピカピカした門?…もしかってそれって…光り輝いていて、なんかこう…キラキラしてるような?
悪魔:そうです!ぴかぴかキラキラしていて、すっごいきれいな門です!
天使:お…
悪魔:お?
天使:…お前のせいかぁぁぁぁぁ!!
悪魔:ふぇ!?いきなり大声ださないでくださいよぉ!
天使:あのなぁ!俺が…わざわざ下界に来なきゃいけなくなったのはお前のせいなんだよ!!
悪魔:えぇ!?そうなんですか!?
天使:お前が開いたのは天界の門なんだよ!悪魔のお前がなぜ開けたのかわからねぇけど…そのせいで
天界はてんやわんやになってんだよ!まったく…
悪魔:うぅ…ごめんなさい…(しゅんとなる)
天使:お前は地獄の仕事は向いてねぇよ…
悪魔:ふぇ?向いてないですか!?…そんなぁ…
天使:さっさとやめたほうが…いや…待てよ?
天使:(くそ忙しい原因見つけたし、こいつを連れて行けば万事解決なんじゃ…)
悪魔:うぅ…やめるしかないのかなぁ…
天使:おい悪魔
悪魔:なんですか?
天使:少し俺についてきてくれ
悪魔:???
天使:お前にぴったりのところがある。そこに行けば万事解決だ。
悪魔:は、はぁ…
天使:ちょっとまってろ…
(天使はごそごそと何かを取り出し、空に飛ばす)
悪魔:…何してるんですか?
天使:まぁ…ちょっとな。よし…じゃあいくぞ?
悪魔:ふぇぇ!?ど、どこにいくんですかぁ!
天使:いったろ?お前にぴったりのところだ
天使:よし…ついたな…
悪魔:え、えっと…ここは?なんかピカピカしてるところみたいですけど…
天使:あ~…えっとだな…ここは天界だ
悪魔:そうなんですね!だからこんなぴかぴかしていて…って天界!?
天使:そうだ。大丈夫、心配すんな。話は通してある。
悪魔:ふぇぇぇ…
(天使は門番に話をつけ、悪魔を手招く)
天使:ほらさっさと入るぞ。天使長のもとに行くからな
悪魔:天使長…ですか?
天使:そう。魂の選別や、その他諸々を監督している人だ。ある程度の権限も持っている
悪魔:なんで…その…天使長?に僕を会わせるんですか?
天使:お前をな、天使に転生させるためだ
悪魔:天使に転生!?
天使:お前…このまま地獄にいても意味ねぇだろ…導く魂が天界に行くんだし…
悪魔:うぅ…それはそうですけど…
天使:ならそれを逆に利用して、天界のために活用すればお前のためになるんだぜ?
悪魔:そ、そうですね!
天使:(まぁ…新しい人材を入れて、自堕落に戻るってのは本来の目的なんだけどな)
悪魔:僕が…天使に…えへへ
天使:なんだ?嬉しいのか?
悪魔:実は…はい。ちょっと憧れていたんです!
天使:なら好都合だな…っとここを曲がった先に、天使長の部屋がある。覚悟しとけよ?
悪魔:は、はい!
(二人は通路を進み天使長の部屋につく)
天使:天使長!文書で伝えた悪魔を連れてまいりました。
悪魔:(き、緊張してきたぁ…)
天使:悪魔。
悪魔:ひゃい!
天使:緊張してんな…肩の力を抜け
悪魔:で、でもぉ…
天使:大丈夫だって。んじゃ…俺は戻るからな
悪魔:えぇぇ!?一緒に来てくれないんですか!?
天使:問題ないって。んじゃ頑張れよ~
(天使はその場を去り、自室に向かう)
悪魔:そ、そんなぁ~!!
天使:…やっと戻ってきたぁぁぁ!やっぱ自分の部屋は最高だなぁ…これで…またいつもの自堕落生活に…
(天使の部屋のドアにノックが響く)
天使:んだよ…せっかく久々の自堕落を堪能しようと…(ドアを開く)
悪魔:あっ!天使さん!
天使:なんだお前か…どうした?
悪魔:えっと…ありがとうございます!天使にしてもらうことになりました!
天使:そうかそうか。よかったな?
悪魔:はい!転生の儀っていうのがもうちょっと準備がかかるらしいんですけど…あっ!そうだ
天使:?なんだ?
悪魔:天使長さんからこれを渡すように言われていたんでした…
(悪魔は天使に封筒を渡し、天使が封を開ける)
天使:えっと…「汝の今までの職務怠慢は見逃す事ができないものであり、これにより汝を降格処分とし
魂の選別、 導きの部署へと異動とし新人天使の教育係とする」 …はぁ!?ちょっ…これ…
悪魔:えっと…よろしくお願いしますね!『先輩』!
天使:お、俺の…自堕落生活がぁぁぁぁぁぁ!!