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香草箱

​台本使用の注意事項は   に記載していますので一読お願いします

勇者と魔王の一騎打ち

勇者:人族で、聖剣を抜いて魔族を倒すために旅に出る。旅を続けるうちに良き心を持つ
   魔族もいることを知り、倒すことに決心が揺らぐ。そして、魔族と人族の共存の道が
   あると信じ、魔王と対峙するが…

魔王:魔族の王で冷酷無比で人に対しごみを掃除するかのように蹂躙する。共存の道を信じる
   勇者に対して甘い考えだと憤りを感じる


勇者(不問):
魔王(不問):


(だだっ広い無機質な大広間に玉座に座る魔王の姿があった。そこに勇者が姿を現す)

 

魔王:…やっと来たか勇者よ。待ちくたびれたぞ。

 

勇者:魔王…本当にこれでいいのか?

 

魔王:くどいぞ勇者よ…

勇者:人族と魔族は確かに互いを憎み合っている…それは互いを敵として、殺すべき相手として教わったからだ!

魔王:…その通り。我らは殺し殺される、そういう運命にある。

勇者:私も最初はそう思っていた、魔族は滅ぼすべきだと。だから勇者になった…でもそんな私を、人である私を

   理由なく助けてくれた魔族がいた!

魔王:だからなんだ?

勇者:私は間違っていた…魔族すべてが悪ではない。良きものもいる。われわれ人間にも悪がいるように、

   魔族にも優しき心を持つ者もいるんだ!…本当にもう…共存の道はないのか!

 

魔王:くどいと言ってる!!我々は相容れぬ存在だ!我ら魔族が闇の存在ならば…
   お前ら人族は光の存在だ…我らは交わることがないのだ…

 

勇者:そんな…いや、あるはずだ!人族と魔族が共存できる方法が!

 

魔王:…剣をとれ…我とお前は殺し合う…種の存続をかけてな…

 

勇者:くっ…(剣を構える)

 

魔王:いくぞ…勇者!!はぁぁぁぁぁぁ!!(間合いを詰めるように走る)

 

勇者:ほんとにこれが…これしかないのか!

 

魔王:これが!我らの運命だ!!(勇者に剣を振り下ろす)

 

勇者:くっ!(剣腹で魔王の剣をかろうじて防ぐ)

 

魔王:防ぐだけでは…勝てぬぞ!(力をこめる)

 

勇者:このままじゃ…くそ!(だんだん圧され)

 

魔王:…(相手を蹴り飛ばす)

 

勇者:ぐわっ!?…グハッ!(蹴とばされて壁に激突する)

 

魔王:ふざけるな…ふざけるな勇者!!!

 

勇者:ぐっ……ハァ…ハァ…(ゆっくりと立ち上がる)

 

魔王:なぜ…なぜ切っ先を我に向けない!なぜ殺意を込めない!!

 

勇者:それは…

 

魔王:まだ…諦めていないのか…共存の道とやらを!

 

勇者:あぁ!そうだ!なぜ、どちらかが滅びなければならない!そんなのはおかしい!

 

魔王:それが運命だからだ!逃れられない…ほかの道はない!

 

勇者:なんで…なんでなんだ…

 

魔王:勇者よ…見損なったぞ…覚悟を持たず…甘い理想にすがり続ける…もういい…

 

勇者:何をする気だ…

 

魔王:こうなれば…貴様の街を消せば…覚悟せざるを得ないだろうな

 

勇者:っ!?

 

魔王:お前の覚悟が招いたことだ…恨むなら自らを恨め!

 

勇者:街は関係ないだろ!

 

魔王:大いにある…これは種をかけた戦だ…なら関係あるだろう…我が名において命ず…(ゆっくりを右手を上げる)

 

勇者:やめろ!

 

魔王:そのマジックビジョンで見てるがいい。お前の愛する街が…焦土と化すのをなぁ!

 

勇者:うぁぁぁぁぁぁぁ!(間合いを詰めるように走り剣を振りかぶり)

 

魔王:そうだ…それでいい!(剣を受け止めてつばぜり合いに)

 

勇者:絶対に…誰も、街も…失わせない!

 

魔王:なら…我を…この魔王を殺してみせろ!

 

(一方は怒りを込めた眼差し、一方は嬉々とした顔でつばぜり合いをして、少しした後に互いに間合いを開ける)

 

勇者:これで…終わりにする!

 

魔王:よかろう…渾身の一撃で屠ってくれよう!

 

勇者:我が名において、応えよ聖剣!(剣が光輝く)

 

魔王:我が名において、応えよ魔剣よ!(どす黒いオーラがあふれる)

 

勇者:我が前にいる邪悪なるものを…

 

魔王:我に仇なす罪深きものを!

 

勇者:浄化せよ!
        (同時に)
魔王:呪殺せよ!

 

勇・魔:はぁぁぁぁぁぁぁ!!(互いに間合いを詰めて斬り抜ける)

       

            間

勇者:…くっ!…(膝をつく)

 

魔:…フフフ…ハハハハハ!…勇者よ…見事だ…(倒れて消える)

 

勇者:…終わった…のか…結局…結局…こんな結末なのかよ!…くそぉぉぉぉ!!

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